山口蛍との差。「蛍くんのほうが…」
「僕自身、連戦になったほうが動きやすいというか、コンディションはよくなっていくので、そこはネガティブな感じというか、連戦が嫌だな、という思いはまったくなかったです。ただ、最終的には蛍くんのほうが点も取っていますし、チームのバランサーとして攻撃面でも守備面でもすごく長けているので」
自分のなかでも無意識のうちに比較してしまう山口は、長期離脱するまでに3ゴールをあげている。対照的に井手口自身は最終的に28試合、1814分プレーして無得点。鹿島アントラーズとの天皇杯準々決勝で、G大阪時代の2021年8月以来、約3年ぶりとなる公式戦でのゴールを決めても当然ながら満足できない。
ホームでの試合には、最愛の家族も応援に駆けつけている。先発に定着した昨シーズンの後半は、本能に導かれるかのように、ピッチ上で縦横無尽に躍動する姿を長い時間にわたって披露できた。
「子育てどうこうを言える父親ではないので、そういった姿を見せられたのはよかったと思う」
最後はホームでシャーレを掲げた軌跡をこう振り返った井手口は、8歳になった長女、6歳の長男の反応を問われると、一転して苦笑いを浮かべながら「いつも厳しいんです」とこう続ける。