MF:小野伸二(おの・しんじ)
生年月日:1979年9月27日
出身高校:清水商業高等学校(静岡)
高校卒業後の加入先:浦和レッズ
プロ1年目のリーグ戦成績(1998シーズン):27試合9得点0アシスト
日本サッカー界に衝撃を与えた高卒ルーキーを挙げるのであれば、小野伸二を忘れるわけにはいかない。
清水商業高等学校時代から“天才”と称賛されていた男は、Jリーグ挑戦初年度から圧倒的なパスセンスと類まれなボールタッチでサポーターを魅了。日本サッカー史に残る名選手への階段を一気に駆け上がっていった。
1998年は、小野にとって実にメモリアルな1年だった。フランスワールドカップに挑む日本代表に選出され、同年6月26日に行われたグループステージ第3節のジャマイカ代表戦で途中交代から約15分間出場。ワールドカップ初出場の若武者がファーストタッチで相手選手を股抜きでかわした場面を覚えているファンも多いだろう。なお、18歳と272日でのワールドカップ出場は日本代表史上最年少であり、今日まで破られていない金字塔だ。
また、ジャマイカ戦から遡ること約3ヶ月前の3月21日には、浦和レッズの高卒ルーキーとしてJ1リーグ開幕・ジェフユナイテッド市原(現:ジェフユナイテッド千葉)戦に先発出場。チキ・ベギリスタインや岡野雅之、山田暢久といった錚々たるメンバーと共に好プレーを披露し、チームの3-2勝利に貢献した。
同月25日の第2節・横浜フリューゲルス戦では、デビュー2戦目にしてプロ初得点をマーク。最終的に小野はリーグ戦27試合に出場して9得点を挙げ、ルーキーイヤーを最高の形で締めくくった。
魔法のような1年を過ごした小野だったが、翌1999年にはシドニーオリンピック・アジア地区1次予選のフィリピン代表戦で悪質なタックルを受け、左膝靭帯断裂の重傷を負ってしまう。だが、その後もフェイエノールト(オランダ)でのUEFAカップ(現:UEFAヨーロッパリーグ)優勝や、3回に渡るワールドカップ出場を果たすなど、左膝と向き合いながら結果を残していったのは流石の一言だ。
44歳まで現役を続けた天才・小野。そのキャリアの礎がプロ1年目の1998年にあったのは間違いない。