「この状況を“たのしめてるか。”」というのは深い
──今、仕事ではどんなことをされていますか?
「お金の動きを見ています。どういう費用があって、どういう売り上げがあるかというのを記録していたり、支払い業務から足りないものを発注する、電球を変えるといった雑務まで、様々な業務があります。毎日同じことの繰り返しではなくて、いろんなことが起きるので楽しいですね。選手の移籍の際の人件費処理にも関わりますが、『すごいな』と思いつつ、『もっと選手の価値が上がってほしい』とも感じます。そのためにはもっと会社が大きくならないといけないなと」
──吉田さんが入社してからクラブ内の変化はありますか?
「今が過渡期だと思っています。2019年に入社して5年が経ってブランド&メディア部や社会連携部といった新しい部署ができて、発信や地域としての関わりがベルマーレとして確立されてきています。あとは、クラブハウスや事務所などが変わったこともそうですね。以前は狭い事務所でぎゅうぎゅうになりながら後ろを通っていたのが今はすごく綺麗になりましたし、少しずつですが仕事も整頓されていきました。それでも今が完璧なわけではないですし、まだまだ進化していかなければいけないなと思います」
──過渡期の真っ只中にいられることは充実した時間を送る反面、すごく大変そうだなと感じます。
「そうですね。大変なこともありますけど、『ここを突破したら成長しちゃうな。困っちゃうな』くらいにまで持っていけるよう自分をコントロールしています(笑)」
──湘南には「たのしめてるか。」というクラブスローガンがありますよね。どんなときでも楽しむことを忘れないというようなメッセージが込められたものだと思いますが、選手だけでなく吉田さんのようなスタッフの方々も体現しているのを見るとクラブ全体の一体感を感じます。
「私もすごく大切にしているクラブスローガンです。「たのしむ」はenjoyとかfunという意味だけでなく、我を忘れるほど夢中になるとか、どんな状況でも前向きでいられるか、みたいな意味が込められていますが、“この状況をたのしめてるか。”というのは深いですね。大好きな言葉です。以前、VI(ビジュアル・アイデンティティ)を進化させるべきか、という議論になった時に社員全員が集まって『ベルマーレとは?』『自分たちはホームタウンでどういう存在になりたいか?』ということを話し合う場が設けられたんです。フロントスタッフやアカデミースタッフも含めベルマーレのスタッフとして働いている中で、みんなで言葉にできていなかったことを言葉にして、『やっぱりそうだよね』というものが再認識できたのは面白かったですし、意義深かったですね」