フットボールチャンネル

「必ずしもそれが正解ではない」鈴木優磨の言葉が持つ意味。鹿島アントラーズがミス連発で4失点「鬼さんの川崎の時と比べたら…」

text by 編集部 photo by Editors

「鬼さんが川崎でやっている時と比べたら…」

「(監督から)言われていることにトライしているのはいいんですけど、必ずしもそれが正解ではないし、必ずしも鬼さん(鬼木監督)もそれをやれっていっているわけではない」
 

 
 一読すると矛盾しているようにも感じる鈴木優磨の言葉だが、実に本質的で含蓄のある言葉だ。

 鬼木監督はこれまでも「相手を見て」サッカーをすることを強調してきた。足下でボールを動かすのは、その1つの方法にすぎないということを見失ってはいけないのだ。

「トライするという意味では、相手を見ながらやれている選手が少ない。鬼さんが川崎でやっている時と比べたら、柔軟性の少なさというのは僕も感じています」と鈴木優磨は話す。知念も「もうちょっと臨機応変にやってもいい。相手を見てやるっていう部分ではちょっと足りない」、三竿健斗も「相手を見るっていう作業がまだできていない」と課題を感じていた。

 川崎が強かったのは、単に技術力が高かったからだけではない。相手の配置や動きを見ながら、嫌がるスペースを突き続けたからこそ、相手を疲弊させ、相手に穴が生まれていた。「裏に抜ける選手がいなかった足下は食われる。うまくいっている試合は裏に抜ける選手がいて、そこで空いたスペースを使っている」と鈴木優磨は話している。

 ボールの出し手と受け手だけではなく、3人目、4人目の動きがスペースを作る。それがなければどんなに技術があったとしても、この試合の1本目のように相手のプレスの餌食になってしまう。

 相手を見てサッカーをするという鬼木サッカーの本質をどこまで落とし込めるかが、開幕までのキーワードになりそうだ。2月1日に水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」で、もう1段階クオリティを上げた姿を見ることができるかもしれない。

(取材・文:加藤健一【宮崎】)

【関連記事】
新生・鹿島アントラーズで「全然ダメ」。師岡柊生がぶつかった1トップの壁。意外な起用に「もともと自分は…」【コラム】
「まだまだ伸びる」鹿島アントラーズ濃野公人は鬼木達監督の下で理解を深める「だから数的優位が作れるんだ」【コラム】
【一覧】移籍情報2025 Jリーグ全60クラブ 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退 【了】
1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!