2025年は勝負の年。濃野公人の「ホップ・ステップ・ジャンプ」
今のところ右MFには荒木遼太郎、松村優太らが入りそうな雲行きで、特に荒木は川崎の家長昭博のように中寄りの位置でプレーし、数多くボールを触って2トップやボランチと連携しながらフィニッシュを狙っていく役割が強く求められている。
となれば、背後にいる陣取る濃野は彼のストロングを引き出すようなポジショニングを意識し、さらに自らも生きるような駆け引きや大胆さも押し出さなければならない。よりクレバーな選手へと変貌を遂げる必要があるのだ。ある意味、小池が持っている長所を盗めれば、濃野は一皮も二皮も剥けられる。小池との競争も成長曲線を上向かせる起爆剤になるはずだ。
そのうえで、誰にも文句を言わせない守備力を示せるようになれば、本当の意味で彼は内田篤をしのぐほどのスーパーな右SBになれる。
「今は守れて攻められる人が世界で評価される時代。どっちかだけができるっていうのもよくないし、どっちもできて初めて日本代表に選ばれるような土俵に立てる。どっちも極めていきたいなと思ってます」と本人も目をギラつかせた。
ルーキーイヤーに大ブレイクした選手はプロ2年目に予期せぬ壁にぶつかるケースも少なくないが、濃野はそんなネガティブなジンクスを蹴散らしていけるだけのポテンシャルと高度な人間性を備えている。鬼木監督の期待ももちろん大きい。それにしっかりと応えることが、彼に課せられた使命である。
今夏にはEAFF E-1サッカー選手権で日本代表デビューを飾り、冬には鹿島でJ1タイトル獲得、そして2026年は北中米W杯出場……とホップ・ステップ・ジャンプで大化けする濃野の姿を見てみたいと願う人は少なくない。2025年は彼のサッカー人生を賭けた勝負の年になりそうだ。
(取材・文:元川悦子【宮崎】)
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