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関西学院大学から鹿島アントラーズに加入した昨季、濃野公人は31試合出場・9得点を記録し、J1ベストイレブンに輝いた。プロ2年目となる今季、チームは鬼木達新監督を迎えて新たなスタートを切る。宮崎キャンプでトレーニングを重ねた濃野は、新指揮官が自身を成長させてくれる存在だと認識しているようだ。(取材・文:元川悦子)
著者プロフィール:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
鹿島アントラーズが鬼木達監督のサッカーを完成形に近づけるために…
川崎フロンターレで国内7冠を獲った名将・鬼木達監督を迎え、常勝軍団復活に挑んでいる鹿島アントラーズは25日、12日間の宮崎キャンプを打ち上げた。
キャンプ期間中には3つの練習試合を消化し、ロアッソ熊本には2-2、ツエーゲン金沢に3-0、ラストのファジアーノ岡山に3-4という結果だった。いずれも新指揮官の思い描くビルドアップが思うようにできず、レオ・セアラと鈴木優磨という期待の2トップを生かし切れなかった模様。2月15日の開幕・湘南ベルマーレ戦まで残り3週間とそれほど時間的余裕はないものの、本拠地に戻ってペースを引き上げていくしかないだろう。
鬼木サッカーを完成形に近づけていくうえで、1つの重要ポジションが右サイドバック(SB)だ。川崎時代も2017・18年の優勝時にはエウシーニョという推進力溢れる選手がいたし、2020・2021年の連覇時はFIFAワールドカップカタールに出場したサッカー日本代表の山根視来(LAギャラクシー)が異彩を放っていた。彼の頭脳的かつ臨機応変なポジショニング、機を見てゴール前へ上がっていく高度なセンスから数多くの決定機が生まれている。
今季の鹿島にも、そうなり得る候補者が2人いる。もちろん1人は2024年ベストイレブンの濃野公人。もう1人は横浜F・マリノスから加入した小池龍太だ。小池はマリノス時代にアンジェ・ポステコグルー監督やケヴィン・マスカット監督ら戦術家たちの薫陶を受け、変幻自在に立ち位置を変えながら組み立てに参加する役割を担っていた。2022年には日本代表にも選出され、J1制覇も経験している。百戦錬磨の男の存在は濃野の闘争心を煽っているに違いない。