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新生セレッソ大阪で重要な役割を期待される喜田陽
セレッソ大阪は24日、徳島ヴォルティスと練習試合(45分×3本)を行い、3-0で勝利した。タイで一次キャンプを張り、22日から宮崎にトレーニングの場を移したセレッソにとって、この日が初の実践の舞台に。アーサー・パパス監督の下でスタートを切ったチームにとって、課題が浮き彫りになる実りある機会となった。
宮崎では多くのJクラブがキャンプを張り、1月下旬には練習試合が組まれる。どうしても勝敗やスコアに目が行ってしまうが、この時期はチームとしての完成度に差が出てしまう。横浜F・マリノスや鹿島アントラーズ、そしてセレッソ大阪は新監督を迎えており、スタイルの刷新を図っている最中。これが公式戦であれば辛い評価をしなければいけないが、この時期は課題が浮き彫りになること自体が収穫とも捉えられる。
宮崎キャンプの最初の2日間で、パパス監督の志向するものの大枠は見ることができたのではないかと思う。ボール保持の局面では、縦パスをスイッチとして、可能な限り縦に早く攻め込む。ボールを失ったときはハイプレスに移行してボールを奪いきる。喜田は「前に早くいくところが大事で、一番大事な部分になる」と説明してくれた。
練習試合を含むこの3日間で、現時点での序列めいたものは見て取れた。喜田と田中駿汰がボランチに入ることが多く、練習試合でも先発起用された。田中とともに中盤のかじ取り役を期待されていることが伝わる。
練習試合後に喜田は、「2部練習だったり、濃い時間を過ごしてきているので、タイからやってきたことは出せたかなと思います」と手応えを感じている。一方で、試合内容に目を向けると、完成度という意味ではまだまだ発展の余地がある。
「もっとコミュニケーションを取っていかないといけない。小さなミスだったり、ワンタッチのところをツータッチにしてしまったり。細かいところはキャンプ中に完成させたい」
徳島戦ではGKも参加するビルドアップにトライしていたが、自陣でボールを失うことが何度かあった。その前の練習でもワンタッチでボールを動かしていく形は強調されていたが、練習試合ではパスがズレたり、タッチ数が多くなって相手に寄せられた場面もあった。「早いところとゆっくりのところをみんなで共有した方が、リズムよく前に行ける。そこをこだわりたい」と、喜田はこれからブラッシュアップしていかなければいけない部分を挙げた。
パパス監督が浸透させようとしているサッカーは、1人でも欠けると成立しない。徳島戦でも、プレスが遅れたある選手に対して、複数の選手から檄が飛ぶ場面があった。相手がいる中で出てきた課題を1つずつブラッシュアップしていく作業は続く。
(取材・文:加藤健一【宮崎】)
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