貫いた勇敢さ
多くの場合、数的劣位となったチームは受動的な戦い方にシフトする。もちろん、対戦相手や10人になってしまった時間帯によって選ぶ戦い方は変わってくるが、群雄割拠のプレミアリーグにおいて10人の状況で勝利を収めることは困難だ。スケリー退場の時点でスコアは0-0であり、アーセナルは守り抜いて勝つという得意の戦略も選ぶことができない。
そんな苦しい状況で、ミケル・アルテタ監督が下した勇敢な決断に注目したい。彼は11人の相手に臆することなく、能動的な戦いを展開することを選んだ。
スケリー退場を受けて、指揮官はイーサン・ヌワネリに代えてリッカルド・カラフィオーリを投入。アーセナルはボール保持時[3-3-2-1]のシステムを形成した。相手にボールを奪われた場合は即座に自陣に戻り、[5-3-1]気味の布陣を取る。
数的有利となったことでウルヴズが攻勢を強めていくと思われたが、蓋を開けてみるとそうはならなかった。ホームチームは主導権掌握を試みたものの、彼らはボールを落ち着かせることができない。アーセナルは積極的に前からボールを奪いに行き、ウルヴズの優位性を奪っていく。
ここで素晴らしい活躍を見せたのが、左ウイングとして先発出場したレアンドロ・トロサールと中盤のデクラン・ライスである。彼らの働きによって、アーセナルはスケリー退場後も11人で戦っているように見えた。