「ヴェルディに残る選択肢も…」
「鳥栖の監督時代に見せていた攻守にアグレッシブで、かつ論理的な思考の明輝さんのスタイルが、自分のサッカー観とよく似ている点で強く印象に残っていました。その明輝さんが監督に就任するなかで、明輝さんのサッカーがしたい、そのほうが自分の力を発揮できると思って移籍を決断しました」
同時にヴェルディの強化部との交渉で、強く引き留められたとも見木は明かしている。
「6位で終えたヴェルディに残る選択肢もありました。非常に難しい決断でしたけど、自分の価値をもっと高める、という目標を考えたときに、やはり移籍した方がいいという決断にいたりました」
ヴェルディが慰留したのも無理はない。京都サンガF.C.から期限付き移籍していた、パリ五輪代表のMF山田楓喜(現・ポルトガル1部CDナシオナル)が退団した以外は、昨シーズンの主力の大半が残留した。
そのなかでも期限付き移籍組のFW染野唯月とDF林尚輝(ともに前・鹿島アントラーズ)、FW木村勇大(前・京都)、そしてFW山見大登(前・ガンバ大阪)がそろって完全移籍に移行。J1初ゴールを含めてチーム最多の10ゴールをあげた木村は、見木から「10番」を引き継いでいる。
さらにMF福田湧矢(前・ガンバ)、DF鈴木海音、MF平川怜(ともに前・ジュビロ磐田)らの新戦力も加入。引き続き指揮を執る城福浩監督のもとで、昨シーズンよりさらに上位を狙える陣容がそろうはずが、キャプテンの森田晃樹とともに中盤を支えた見木の希望を最終的には尊重した。