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Jリーグ 5日前

「もうムリや…」柿谷曜一朗がプレーを楽しめなくなった深い理由。「これサッカーちゃうやん」の言葉に隠された真意【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

引退を決めた理由。「どこかで申し訳なさがあった」

「12月の時点ではまだやろうと思っていました。でも1月になって、『キレイに終わりたい』と思ってるやつが若くて上に行こうと思ってる選手の中に入ったら彼らにも監督にも失礼だし、邪魔やなと。別にカテゴリーは気にしなかったし、引退する前にセレッソに帰ってきてっていう話があったりなかったりもしたけど、やっぱりどこかで申し訳なさがあった。それでキッパリやめるべきかなと思ったんです」と本人は決断に至った経緯を改めて打ち明けた。

 その決意を3人の子供たちに伝えたところ「ヤッター。これでパパと一緒にいられる」と長女から言われ、「家族のためにはよかったのかな」と本人も安堵感を覚えた様子。そんな家族のこと、名古屋の一員として2021年のYBCルヴァンカップ決勝を戦った話に至ると、人目をはばからず涙を流した。そういう人間性も含めて、彼はどこまでも愛される選手だったのだ。

 相手の裏をかく駆け引きのうまさ、アイディア、創造性、そしてヤンチャなキャラクター…。それらを併せ持ったスターがまた1人ピッチを去るのは、我々見る側にしてみれば、残念以外の何物でもない。

 今のサッカーはハードワークや強度、献身性、戦術重視の方向に進んでおり、柿谷のような自由で尖った個性を持つ人材が生きにくくなっている。それも彼の引退を早めた一因なのかもしれない。

 近いニュアンスの話を遠藤保仁(ガンバ大阪トップコーチ)もしていたことがある。

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