選手の個性があってのチーム戦術。「そのために、僕は…」
1つは流動的な攻撃の中でゴール前にスペースを見出せるので、その局面で必ずしも幅を取る必要はないということ。そしてもう1つは、守備の準備を考えた時に、ボールに対して全体がコンパクトであるほど、そのままプレッシャーをかけてボールを奪いやすいし、カウンターのリスクも減るということだ。
ただ、やはりチーム戦術というのは選手の個性と結び付かないと、本来ある武器を生かせず、マイナスになってしまいやすい。岩政監督は「そのために、僕はチームの原則とか約束事だけ設定して、あとはそれぞれで組み合わせてみてっていう感じでやっている」と主張する。
実際に、ベルギーから復帰してきたボランチの高嶺朋樹や3バックの中央を担う大﨑玲央など、指揮官が現時点でも信頼を置く主力メンバーは早くコンセプトを理解して、その中で持ち味を発揮することができている。
だが、その理解が揃わずに、どうしてもコアメンバーというところが限られてしまうのは、練習試合でも1本目、2本目、3本目と次第にパフォーマンスが停滞していく傾向からも感じ取れた。