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Jリーグ 6日前

北海道コンサドーレ札幌は大きく変わる。岩政大樹新監督が目指す理想像。「勝手に選手が見つける」サッカーとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

攻撃=守備に回った時の適切な準備?

 判断基準を味方と共有しながらも、相手がゾーンなのかマンツーマンなのか、どのライン設定で守ってくるのか、システムや選手の配置も含めて、サッカーというスポーツは、敵味方のあらゆる要素によって、完成させるパズルの全体像も、はめるべきピースも違ってくるものだ。

 その当てはめを普通は意図してできないから、攻守に噛み合わせのギャップが生じて、それが判断ミスにもつながる。だが、岩政監督が目指すスタイルというのは、相手の戦い方まで取り込んでゴールの道筋を見出して行こうというものであるため、札幌の選手たちがチームとして、それを描ければ描けるほどプレーのテンポも早くなり、意図的に相手を崩してゴールに迫れることになる。

 ただし、いかに相手の守備を崩すかだけに頭がいくと、上記したような攻守一体は実現できない。岩政監督は相手を崩すための動きが、いわゆる“ハイリスク・ハイリターン”ではなく、守備に回った時の適切な準備にもなっていることを求めているわけだ。

 その思考も影響しているのか、栃木SCやJ2のライバルであるV・ファーレン長崎との練習試合を観ていて感じることとして、後ろから組み立てる段階では3バックを基点に、左右をワイドに使っているものの、相手陣内でゴールに向かう段階においては、横幅はあまりワイドになっていないということだ。

 これには2つの理由があると考えられる。
 

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