「僕が仕組みだけ作って…」。岩政監督が目指す理想像とは
相手の動きを判断材料としながら、流れの中でスペースを作り出して使って行く。そのひとつの有効手段として、ポジションチェンジが多分に引き起こされて行くのだ。
その中での適切な距離感も、岩政監督は「前の5人の選手たちの入れ替わりが行われるたびに、そこの距離感は変わるというふうに思ってますし、そこは個性によっても変わる」と語る。
岩政監督自身、特定のシステムに固執することはないが、今のところ従来の3バックをベースに、前線は試合や時間帯によって、1トップ2シャドーのケースと2トップ1シャドーのケースがある。ただ、それもスタートポジションに過ぎず、ボールを動かせば前目のポジションの選手はポジションを固定することなく循環していく。
その基準に関して聞くと、岩政監督は「考えるともちょっと違っていて。勝手に選手が見つけますという仕組みなので。僕が仕組みだけ作って、選手たちが見つけて行く」と説明してくれた。
この原理は岩政監督が、キャリアの大半を鹿島アントラーズで過ごした選手時代から持論にしてきた「相手を見ながらサッカーをする」というモットーが源流にあることは間違いない。