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Jリーグ 9時間前

サッカークラブと地域をつなぐプロ人材。「困った時は横浜F・マリノスを頼ろう」そんな存在になるための“きっかけ作り”とは

シリーズ:コラム text by 舞野隼大 photo by 編集部

アカデミーとは異なるスクール。その指導方針とは

──F・マリノスで働くようになって、子どもたちにサッカーを教える以外にどんなことをされていましたか?

「まずはその日、子どもたちに取り組んでもらうトレーニングメニューを考えることは必須ですね。それ以外には、配布物の準備など事務的な作業もありました。あとは自分たちの指導力向上のために、月に数回コーチ陣で集まって『指導実践』という活動を行ったり、小学校に出向いてスポーツの楽しさを伝える『サッカー食育キャラバン』という活動も頻繁に行いました。当時はすべてが初めてで、ゼロから覚えることばかりでした。大変でしたが、毎日好きなサッカーに携われていたので『楽しいな』と感じることの方が多かったです」

──“アカデミー”ではなく“スクール”ということで、プロを目指す子もいればボールを楽しく蹴りたいという子もいて、目的は様々かと思います。どんな方針を掲げながら指導に当たっていましたか?

「サッカースクールのコンセプトは『サッカーを通して子どもたちの未来をつくる』です。なので『楽しむ』こと以外に『向上心』や『自立』、『考える力』を育んでいくことを大事に、サッカー選手としてだけでなく、人として成長してもらえるように指導していました。『これをやりなさい、こうやりなさい』という指示だけにならず、子どもたちが自主的・積極的に行動を起こしたり、言われたこと以外のことも気にするような声かけを意識していましたね。ただ、周りのコーチたちのレベルがすごく高く、私自身も日々教えてもらうことがとても多かったです」

──「F・マリノス」の看板も背負って、歴史もあるため、そういった特徴もあるのですね。

「そうですね。みんなプロのコーチなので当然ですが、すごく細かなところまで考えて指導をしますし、指導前後の時間にも常にサッカーに関しての話をしている感じでしたね。そういった部分を見て、『これが憧れていたプロのクラブなんだな』と感じ、自分がF・マリノスに入れたことがとても不思議でした」

──スクールでは何年間働かれていましたか?

「ちょうど10年ですね」

──そこからフロントスタッフへ異動することになった。

「そうですね。F・マリノス、そしてマリノスサッカースクールをもっと地域に広めたいという思いが強くなり、自ら異動の希望を伝えました。理由は、学校や地域で活動をした際に、スクールがどこで行われているのか知らないという方や、F・マリノス自体を知らないという方が、自分が想像していた以上に多くいるなと感じたからです。知ってもらえていなければ足を運んでもらえないですし、足を運んでもらえなければサッカーの楽しさを味わってもらうことはできません。そのためにクラブやスクールをもっと地域の方に認知してもらえるようなことに取り組んでみたいと思って相談をしたところ、その思いを認めてもらい、ホームタウン活動を担当する部署に異動することになりました」

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