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遠藤航はリバプールの“切り札”。一体なぜ? いつもより早くピッチに送り出された明確な理由【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

現在の遠藤航の序列は?

 今シーズンからリバプールを率いるアルネ・スロットは基本的に選手を固定して運用するタイプの監督だ。特に中盤はチームのバランスを図る上で生命線であることから、疲労面を度外視すれば入れ替えることを望んでいないように映る。

 仮に今節とリーグフェーズ最終節に敗れたとしても、同クラブはストレートで決勝トーナメント進出を決める可能性が高い。それでも指揮官は、中盤の3枚にフラーフェンベルフとカーティス・ジョーンズ、ドミニク・ソボスライを起用した。

 現在の中盤の序列はこの3人とアレクシス・マック・アリスターの4枚でローテーションをするのが基本で、12月以降はハーヴェイ・エリオットも怪我からの回復を経てこの位置での出場機会を徐々に増やしている。

 2024/25シーズンが半分以上経過した現時点で、遠藤の序列は彼ら5人よりも低い。ターンオーバーを使うケースが多い国内カップ戦では先発から試合に絡んでいるが、プレミアリーグでのプレータイムは56分、CLでも第6節終了時点では2分間の出場に留まっている。

 通常の選手であれば、これだけ出場時間が少ない選手は「監督からの信頼を得ていない」と結論づけてしまうかもしれない。ただ、遠藤の場合は少し違う。スロット監督は明確な意図があって日本代表MFを投入している。それは今節リール戦でも同様だった。

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