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Jリーグ 11時間前

朴一圭は本音を隠さず言葉を紡ぐ。横浜F・マリノスで「まだ見ぬ景色」を追い求めて…。35歳でも「まだペーペー」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by 編集部

偽らざる本音。「オファーをもらって…」

「鳥栖で4年間プレーしながら、戻れるタイミングがあればマリノスに行きたい気持ちはあった。年齢も重ねていたし、行きたいといっても行けるクラブではないけれど、最後にどこのユニフォームに袖を通したいかと言われるとマリノスだった。2019年にいい思いをしたこともあるので、思い入れは強くなっていた。オファーをもらって、即決で行きたいという旨を代理人に伝えたし、西野さん(努/スポーティングダイレクター)に直接お会いしても必要としてくれている熱を感じたので、その場で行かせてくださいと話した」

 本音を隠さず言葉を紡げるのも、パギが持つ魅力のひとつだ。

 鳥栖への背信行為や裏切りと受け取られるのは不本意に違いない。「鳥栖の時は鳥栖のためにプレーしていた」のだから。すべての試合で、毎日の練習で、パギは一切の妥協を許さなかった。時には「かなり厳しい言葉で発破を掛けながら、強くしたいという気持ちでやっていた」。

 在籍5年目の昨季はJ2降格の憂き目に遭ってしまった。結果だけ見ればチームを救う守護神にはなれなかったのかもしれない。それでも過ごしてきた毎日の努力に嘘はない。30歳を過ぎても成長できた事実が認められ、念願のオファーを勝ち取れた。

「自分を奮い立たせてやってきた。それはもちろん鳥栖のためでもある。本当にマリノスからオファーが来た時は驚いたけど、月並みだけどあきらめずにやれば夢って叶うのかなって。本当に頑張っていてよかったと思う」

 感慨深げに話す様子は、古巣の横浜F・マリノスへの愛着と、新たに古巣となった鳥栖への感謝の気持ちに満ち溢れていた。

 再びトリコロールのエンブレムを背負ってプレーする日々が始まった。違和感は一切ない。

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