柏レイソルで求められる2つのこと
「チームが志向するスタイルのなかで、自分がもっている能力と求められている仕事の乖離といったものは多少なりともあったかな、と。それは自分の能力不足といえばそれまでなので、言い訳にするつもりはまったくないけど、自分も能力に凹凸のあるタイプの選手ではあるので。そういった感じですね」
新チームの始動とともに、ロドリゲス監督はすべての選手と面談を実施した。お互いを熟知する小泉が求められたのは2点。指揮官の戦術の伝道師となるうえで、それでも特別扱いはしないという方針だ。
「監督からは『やり方はだいたいわかっているだろうし、それらをプレーでも言葉でもチームのみんなに示していってほしい』と言われました。監督が求めるものや目指すところをいち早く体現していくのは、自分がこのチームに呼ばれた意味のひとつでもあるし、得意とするところでもある。
とはいっても競争があるので、同時に『そこを勝ち残っていくことを、一番に目指してほしい』とも言われました。監督の評価基準みたいなものがある程度、わかっている分だけアドバンテージはあるかな、という状況だけど、いい選手が大勢いるなかで、僕自身、またイチからの競争だと思っています」
コメントが理詰めで、哲学的な印象を与えるのは、小泉の趣味と関係しているのかもしれない。新体制発表会で<No 〇〇, No LIFE>にあてはまる〇〇がそれぞれ問われたコーナーで、小泉は迷わずに「将棋」と記した。サポーターの前で「将棋なくして人生なし」と宣言した腕前は「初段です」と胸を張る。