新天地に染まっている“もう一つ”の理由とは
「ベンチ外からいきなり先発するのは、ほとんど経験のないシチュエーションでした。当然ながらいろいろと複雑な思いがあったし、プレー内容も課題ばかりでした」
自分が先発に抜擢されれば、必然的に誰かがメンバーから外れる。こうした状況が、小泉をして「どのような立ち居振る舞いをすればいいのか、正直、最初は迷いもあった」とも言わしめた。9月以降は復帰したスコルジャ監督が指揮を執ったものの、試合に絡めない状況は変わらなかった。
浦和は今シーズンもスコルジャ監督が指揮を執る。6月には出場クラブ数が大幅に拡大されるFIFAクラブワールドカップ2025へアジア代表として臨む。それでも自らを追い込む意味で、プロサッカー人生をあと数年と見すえる小泉は柏への移籍を決めた。次の言葉からも、新天地に染まっている理由が伝わってくる。
「この年齢までにいろいろな監督や、いろいろなスタイルのもとでプレーできたのはすごく自分のプラスになった。それでも自分が得意とするゾーンやタスクで勝負したい、という気持ちが強かったので」
こう語った小泉へ「浦和時代の後半の2年間は、望むような勝負ができなかったのか」と質問が飛んだ。小泉は「善し悪しといった話ではなくて」と断りを入れながら、こんな言葉を紡いでいる。