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居残りでシュート練習に励む渡邊啓吾
太陽の光が差し込む17日の午前、みっちりと2時間ほどのチーム練習を終えた後に居残りでシュート練習をしている渡邊啓吾の姿があった。ペナルティエリア内の密集した場所でパスを受けて、トラップ後の素早い2タッチ目で相手をかわし、GKとの一対一を冷静に決め切る。聞くと、この居残り練習は恒例となっているようだ。
「自分の課題はゴールとか最終局面だと思うので、そこを上げていかないと試合に出ることもできないし、点を取ることもできない。ライバルである(鈴木)章斗だったり、ねもくん(根本凌)がやっている中で、自分もしのぎを削らないといけないなって思います」と、最前線のポジション争いに対する意欲を見せてくれた。
今季より桐蔭横浜大学から湘南ベルマーレに加入した渡邊だが、大学4年生だった昨季は特別指定選手としてリーグ戦1試合に出場している。2024年5月6日のサガン鳥栖戦、2-1とリードしている状況で迎えた試合終盤にクローザーとして投入された。チームの勝利のために任務を遂行する中で、渡邊の中にはある想いもあったという。
「クローザーとして出たとしても、最後の10分ぐらいで点を取って『うわ、こいつすげぇな』って味方に思ってもらいたかった」
FWとしてチームに信頼されるためにはやっぱり点を取ることが一番。そう言わんばかりの強い気持ちが、日頃の居残り練習という形に表れているのだろう。無論、先発で出場したとしても、試合終盤の苦しい時間帯で得点を取ってくれる選手には自ずと信頼が集まってくるに違いない。「そのためにも日々の練習から積み重ねていきたい」という言葉からも、今後も同じ想いを持って試合に臨む渡邊の姿が想像できる。
そんな渡邊だが、得点以外でもチームに貢献する構えはもちろん忘れていない。この日の全体練習では、奪いどころの共有を意識した実践練習が行われていた。前線からプレスをかけて縦に速いサッカーを展開する湘南にとって、FWのプレス強度は生命線と言っていいかもしれない。その点について渡邊は自信をのぞかせるコメントを残してくれた。
「僕は持久力とか走るという面に関しては自信があるので、そこは無理が効くかなと思いますし、監督たちもそこは分かってくれているので、しっかりと応えていきたいなと思います」
実際に、渡邊をはじめとしたFW陣のプレスをスイッチに、敵陣でボールを奪い切りショートカウンターに持ち込むという場面がこの日の練習では多く見られた。昨季からの継続路線の中で、湘南のスタイルにぴったりハマる特徴を持つ渡邊は、プロ1年目でどのようなプレーを見せてくれるだろうか。今季の目標に“5得点”という数字を挙げた大卒ルーキーの活躍に注目したい。
(取材・文:編集部)
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