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コラム 8時間前

「大切なのは普通であること」ミラン×オランダ人の新たな歴史を刻むラインデルス。完全無欠な男を作り上げる父の言葉【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和

すべてを兼ね備えるラインデルスという男

 今季はセリエAで18試合に出場。第8節ウディネーゼ戦での一発退場によるペナルティーでナポリ戦を欠場したが、14試合でフル出場を果たしている。欧州CLに至っては、6試合すべてに先発し、試合終了のホイッスルをピッチ上で迎える大車輪の活躍だ。

 守備だけでなく、ドリブルとパスセンスも超一級品。セントラルMFに加え、アンカーとトップ下もこなし、チームの“心臓”ともいえる存在となっている。現代サッカーは万能力が求められるが、これほど汎用性の高いプレーヤーは多くない。

 特筆すべきは、欠場した第10節のナポリ戦以降のパフォーマンスだ。第11節のモンツァ戦で今季のリーグ戦初ゴールを決めて以降、すでに5ゴールをマーク。1年目から優れた能力を発揮していたが、2年目は決定力の高さも見せつけ、昨季の通算4ゴールをすでに上回り、カップ戦を含め9得点と、プリシックの10ゴールに続き、チーム2位の得点を挙げている。

 タイアニは、PECズヴォレなどでプレーしたオランダ人の父、マルティンとインドネシア人の母、アンジェリーナ・レカトンペシーの間に1998年7月29日に生を受けた。弟のエリアーノも父と兄と同じく、PECズヴォレでキャリアをスタートしたプロプレーヤーで、昨年インドネシア代表に初招集されている。

 タイアニの名は、マルティンの憧れのプレーヤーであった元ナイジェリア代表FWのティジャニ・ババンギダ(Tijani Babangida)の名に由来する。アヤックスなど、エールディビジで脚光を浴びたアタッカーである。

 ミランには、2023年夏に、AZアルクマールから1900万ユーロ(約30.4億円)に40万ユーロ(約6.4億円)のボーナスが加わる移籍金で加入した。実はミランが契約する前に、獲得に迫ったイタリアのクラブがある。それはボローニャだ。

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