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コラム 2日前

アモリムをどう評価するべき? マンチェスター・ユナイテッドは“変われた”のか。2ヶ月で見えてきた手腕と課題【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

アモリムの手腕が発揮されているのは?

 柔軟な点は他にもある。例えばローテーションの強弱も印象的だ。

 難敵であれども、通常のリーグ戦であれば、思い切ってベストメンバーを素早く交代させていく。緊急の場合はハーフタイムからでも入れ替え、通常の流れなら大抵55分くらいから2枚ずつメンバーを入れ替えていく。ただしマンチェスター・ダービーのような、特別な試合や、重要なカップ戦では露骨に主力メンバーを長く使う。

 怪我のリスクは上がるだろうが、普段の試合ではプレータイムが管理されているので、ここぞで無理をさせても怪我人がでない。メイソン・マウントや、ルーク・ショーなど、そもそも怪我がちな選手は今も戦力になれていないが、それ以外のメンバーはローテーションが上手いこともあり、ほとんど健在である。

 またイングランド代表DFハリー・マグワイアをチームに上手く組み込んだ点も、アモリムの素晴らしい手腕だ。ポルトガル人監督が就任した直後のチームは、3バックの中央にマタイス・デ・リフトを配置した。アモリム戦術において中央のCBは、ショートパスをシンプルに繋ぎつつ、時にはアンカーの位置に一列上がってビルドアップする偽CB的な役割を担うため、器用なオランダ代表DFを配置する判断は妥当に思えた。

 しかし、当初のマンチェスター・ユナイテッドはクロスからの失点に悩まされたこともあり、改善が必須だった。その中でアモリムは圧倒的な空中戦の強さを誇るマグワイアに目をつけた。

 しかし、工夫なくアモリムの3バックにマグワイアを組み込むのは難しい。イングランド代表DFは器用なタイプではないため、偽CB的なタスクは苦手だ。さらにワイドのCBも微妙である。スピード系の選手とサイドでマッチアップする状況が増える。これは2mの巨漢DFと相性が悪い。

 またマグワイアはパスコースの選択肢が少ないと迷って状況を悪化させたり、技術的なミスが増える傾向にある。パスコースの角度が小さいため、相手のハイプレスの餌食になりがちな、ワイドのCBは避けるべきだ。

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