「自分がこのクラブに呼ばれた理由は…」
「自分自身がいまこうしてサッカー人生を歩んでいる途中でも、誇らしいサッカー人生を歩めていると思う。ただ、鹿島アントラーズに来るだけで終わりたくないし、これから在籍するなかで自分に何ができるのか、何を残せるか、というのを大事にしながら、自分のキャリアをよりいいものにしていきたい」
戦列に本格的に復帰した昨シーズンの終盤は、ボランチで出場した試合もあった。しかし、F・マリノスの中盤に故障者が続出した状況下における、チームのための応急措置だったと小池自身は振り返る。
「自分としてはサイドバックでキャリアを積み重ねてきたし、昨シーズンの終盤戦でいうと、マリノスのボランチの選手が少し怪我を終盤でしていた、というだけなのかなと思っている。自分がやりたいポジション、求められるポジションで、しっかりと自分の努力と挑戦を積み重ねていきたい」
昨シーズンの鹿島のサイドバック事情を振り返れば、左は安西幸輝がリーグ戦の全38試合で先発出場し、そのうち37試合でフル出場を果たした。右では大卒ルーキーの濃野公人がセンセーショナルな活躍を演じたものの、負傷離脱後はボランチやセンターバックの三竿健斗が急きょ不慣れなポジションに回った。
層の薄さが否めなかったなかで、左右のサイドバックでプレーできる小池の加入は、チーム内の競争がうながされる意味でも計り知れないほど大きい。小池自身、新天地ですでに闘志を高めている。
「自分がこのクラブに呼ばれた理由は、やはりタイトルを取るところだと思っている。運動量の多さは持ち味にしていきたいし、そのなかでチームがボールをもっている状況で正確に前へボールをつないでいく能力、アシストする能力は特に大事にしてきたので、今シーズンもそこを自分の特徴として見せていきたい」
何度も逆境に直面しながら、小池はそのたびに歯を食いしばり、身長170cm体重65kgの体に真っ赤な炎を燃えあがらせながら雄々しくはいあがってきた。新天地でもつむがれていく稀有なキャリアは、リーグ戦と天皇杯の二冠を獲得した2016シーズンを最後に、実に8年間も国内三大タイトルから遠ざかっている鹿島が、常勝軍団としての誇りを取り戻していく過程とも必ずシンクロするはずだ。
(取材・文:藤江直人)
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