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Jリーグ 2日前

「何を残せるか」キャリアの終わりも覚悟した小池龍太の自問自答。「自分が鹿島アントラーズに呼ばれた理由は…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by 藤江直人

志半ばで終焉を迎えた海外挑戦

「すべての面で足りなかったからこそ、僕はすぐにプロにはなれなかった。基礎的な部分を補い、自分の特徴や武器を築き上げながら成長してきたからこそ、J1という舞台にまで来られたと思っている」

 フィットするまでにやや時間を要したものの、柏でも右サイドバックのポジションを射止めた小池は、2018シーズンにはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台でもプレー。そして、柏がJ2へ降格した2019シーズンの夏に、ベルギー2部のスポルティング・ロケレンに完全移籍で加入した。

 戦いの舞台をいよいよ海外へ移す心境を、小池は柏を通じて次のように表している。

「高校を卒業し、JFLの無名時代から海外移籍まで6年。日本のすべてのカテゴリーを経験し、その中でもここでは細かく言えませんが苦しい時期をたくさん経験しました。そんな6年間の小池龍太日本編を終えます。そしてここから世界編が始まります」

 しかし、小池をして「世界編」と言わしめた挑戦は志半ばで終焉を迎える。コロナ禍だった2020年4月にロケレンが裁判所から破産宣告を受け、退団を余儀なくされた小池は国際サッカー連盟(FIFA)が定めた特例のもとで、チームメイトのMF天野純とともに期間外の移籍でF・マリノスへ加入した。

 F・マリノスでもすぐに欠かせない存在となった小池は、3年目の2022シーズンには柏時代も縁がなかったJ1リーグ優勝に貢献。Jリーグベストイレブンに選出され、同年7月に開催されたEAFF E-1サッカー選手権に臨んだ、国内組が対象となった森保ジャパンにも名を連ね、2試合でピッチに立った。

 波瀾万丈に富んだ国内外におけるキャリアを、先述したように「なかなかないキャリアだと思う」と位置づける小池は、F・マリノスから鹿島へとつむがれた2025シーズンへの抱負を含めてこう語る。

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