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「どうやったらプロになれるかを考えられる」前橋育英OBがJリーグで活躍する理由。OB渡邊凌磨が明かす環境とは…

text by 編集部 photo by Getty Images

高校サッカー ニュース

第103回全国高校サッカー選手権を制した前橋育英
【写真:Getty Images】

前橋育英OBが第一線で活躍する理由

 第103回全国高校サッカー選手権大会決勝が13日に国立競技場で行われ、前橋育英が流通経済大柏を破り、7大会ぶり2度目の優勝を飾った。試合は1-1で延長戦でも決着がつかず、PK戦は10人目までもつれ込む激戦の末、9-8で前橋育英が制している。同校OBで93回大会の準優勝メンバーだった渡邊凌磨が、母校の優勝にコメントを寄せている。

 
 渡邊が出場した10年前の同大会決勝では、星稜を相手に一時は逆転に成功したが、64分に追いつかれ、延長戦で2失点して初優勝のチャンスを逃した。そして、7年前は今大会と同じカードとなり、決勝アディショナルタイムのゴールで悲願の初優勝を飾っている。

 卒業後にJリーグで活躍するOBは多い。渡邊の世代では浦和レッズでチームメイトのGK吉田舜、昨季まで浦和でプレーした小泉佳穂に加え、岡村大八、坂本達裕、鈴木徳真とJ1や海外リーグで活躍する現役選手たちが並ぶ。第96回の初優勝メンバーには角田涼太朗、渡邊泰基、田部井涼、秋山裕紀、松田陸など、現役Jリーガーが数多く並ぶ。

「単純に個々のレベルが高いのは間違いない」と話す渡邊は、「育英ってサッカーより人間力のところだと思う」と人間力を重視する指導方針が、卒業後にJリーグなどのトップレベルで活躍する選手が多い理由になっていると言う。

「プロに入ってもどんどん下に落ちていく選手がたくさんいる中、高校生のときからそういうのが学べるし、僕は高校生のときにそういうところが一番成長したと思う」と渡邊自身も話す。さらに、「大学に行ってもプロを目指す中で、どうやったらプロになれるかを逆算して考えられる人間力は3年間でみんなが培ってきた」と、前橋育英の良さを明かした。

「大学に入ってからも会っていた。目指しているところは同じだったし、高校生のときは選手権で優勝、卒業後はプロに行く(のが目標)。別のチームでも切磋琢磨していた感じはあったので、永遠のライバルじゃないけど、そういう環境が自然と作られたのかなと思っています」

 渡邊の代は先述した通り、多くのJリーガーが活躍している。卒業後切磋琢磨できる環境があることが、卒業後のそれぞれの活躍につながっているのだろう。

(取材:河治良幸、構成:編集部)

 
 
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【了】
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