13位:秋山裕紀(アルビレックス新潟)
【写真:Getty Images】
生年月日:2000年12月9日(24歳)
市場価値の上昇額:55万ユーロ(約8800万円/157.1%UP)
市場価値の変動:35万ユーロ(約5600万円)→90万ユーロ(約1億4400万円)
2024リーグ戦成績:36試合2得点2アシスト
Jリーグ“ブレイク”ランキングで13位に入ったのは、アルビレックス新潟の“心臓”秋山裕紀だ。2024シーズンの新潟は残留争いに巻き込まれた末にリーグ16位で1年を終えたが、秋山は随所に光るプレーを見せて苦境に立つチームを支え続けた。
秋山は、高校時代から周囲の注目を集める存在だった。前橋育英高校時代は、かつて山口素弘や松田直樹氏、青木拓矢といった後のJリーグの名手たちが背負ってきた伝統の「14」番を継承。2年時には全国高等学校サッカー選手権大会で優勝し、2019シーズンより新潟へと加入した。
2020シーズンにはアスルクラロ沼津、2021シーズンには鹿児島ユナイテッドFCへの育成型期限付き移籍を経験したものの、2022シーズンの復帰以降は新潟で本格的にレギュラーとして稼働。2024シーズンもJ1リーグで36試合に出場して2得点2アシストをマークした。
秋山のプレーの凄みはスタッツにも如実に表れている。パス総数は「3096本」で堂々のリーグ1位。そのパスもただ単に本数が多いわけではなく、「90.3%」もの成功率を誇っている(同9位タイ)。
新潟のみならずJリーグを代表するゲームメイカーに成長したことで、市場価値も着実に上昇。約1年前の35万ユーロ(約5600万円)から157.1%アップして、現在は90万ユーロ(約1億4400万円)の値を付けている。
もはやベテランの風格すら漂う秋山だが、まだ24歳。今後に大きな伸び代を残しており、進化の果てはまだ見えていない。2024シーズンはJ1残留に向けて奔走する苦しい1年だったが、今シーズンは新潟を高みに連れて行くような活躍が期待される。
チームはこれまでボール保持を軸とする魅力的なスタイルを貫いてきたが、今後はそこに「勝ちきる」勝負強さを加えていく必要がある。いずれにしても、中盤に君臨する秋山の出来が新潟の命運を分ける存在であることは間違いない。