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Jリーグ 1週間前

武藤嘉紀はなぜオールラウンドな活躍ができるのか? 加速と減速を自在に操る上半身の使い方の秘訣【動作分析コラム】

シリーズ:動作分析コラム text by 三浦哲哉 photo by Getty Images

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 昨季のJリーグで13得点7アシストを記録しヴィッセル神戸の連覇に貢献した武藤嘉紀。その活躍もあり、昨季はMVPにも選出された。特出したアスリート能力を持つ武藤の身体は「ゴツい」という表現が似合っているが、そこには強さだけではない、あらゆるプレーを可能にするある特徴があるという。(文:三浦哲哉)

プロフィール

三浦哲哉(みうら・てつや)
1980年4月25日生まれ、岩手県出身。理学療法士、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。順天堂大学、専門学校社会医学技術学院卒。整形外科クリニックでの理学療法士業務と並行して、サッカーを中心にトレーナー活動を経験。タマリバクラブ(ラグビー、2005〜08年)、慶應義塾体育会ソッカー部(10〜20年)、全日本大学選抜(13〜15年)、ユニバーシアード男子日本代表(15年)でトレーナーを務め、その経験を活かして『サッカーフィジカルのプレーモデル』(2024年)を著した。

サッカー選手のアスリート化の代表格、武藤嘉紀

武藤嘉紀
【写真:Getty Images】

 近年、求められるインテンシティの高まりに伴い、サッカー選手のアスリート化が進んでいると言われています。スプリントの速さや急減速・急加速を伴う方向転換のスムーズさ、さらには球際の局面での強さは、今後も要求されていくことになるでしょう。

 ヴィッセル神戸のJ1リーグ連覇に貢献し、2024シーズンのMVPに輝いた武藤嘉紀は、それらをハイレベルにこなす選手の代表格と言って良いのではないでしょうか。

 Jリーグが発信する公式スタッツでも、出場時間や走行距離、スプリント回数等で上位にランキングされています。チャンスクリエイトのみならず、ハードワーク出来るそのプレースタイルは攻守両面で貢献度が高く、チームに好影響をもたらしているでしょう。

 高強度のプレーを反復するためには、いわゆる身体能力の高さに頼るだけではなく、効率の良い動作をすることも重要になってきます。

 今回は、それらの基盤となる武藤の「身体の使い方の上手さ」に焦点を当て、2年連続J1リーグベストイレブンとなった2023〜24シーズンから、象徴的なシーンを3つ取り上げて解説していきます。

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