一度は戦力外…。どん底から這い上がるきっかけは?
現役続行を望んでトライアウトにも参加。関心を示してくれたクラブと交渉に入ろうかという矢先に、自身を不必要と判断したファビオ・カリーレ前監督が辞任。柏レイソルの下部組織、そしてトップチームで指導を受けた下平隆宏氏の新監督就任が濃厚になった状況で、秋野もアクションを起こした。
代理人を通じて再契約を逆オファー。交渉はスムーズに進み、愛着深い背番号17を再び背負った秋野は長崎で3度目となるキャプテンに就任。J2リーグ戦で36試合に出場し、プレー時間も2864分を記録。左足から放たれる高精度のキックと、ボランチとしての的確な状況判断力が福岡の目に留まった。
「怪我でほとんどプレーできなかった時期も長かったし、トライアウトも経験して一度はどん底を味わうなど、いろいろなものを経験してきた身としては、日本で一番上のリーグであるJ1のチームにいられるこの状況は、J1でプレーしている他のどの選手よりも価値があるものなのかな、と感じています」
大怪我や戦力外通告を含めて、どんなに困難に直面しても絶対に下を向かなかったからこそいまがある。自らの強い意思と実力で、実に6シーズンぶりにJ1の舞台でプレーできる道を切り開いた秋野は、ともに23歳のボランチ、松岡大起と重見柾斗と切磋琢磨する新シーズンへ早くも胸を躍らせている。