セントラルMF:田中聡(たなか・さとし)
生年月日:2002年8月13日
所属クラブ:湘南ベルマーレ
2024リーグ戦成績:33試合4得点4アシスト
田中聡は僕のお気に入りの一人。前回の記事でもJリーグでプレーする注目の若手日本人選手10人を取り上げた際に彼の名前を挙げたけれど、今シーズンは多くの試合で彼を観る機会があり、そのパフォーマンスは間違いなく僕の期待に応えるものだった。
まず、注目すべき点は、湘南ベルマーレが残留を果たしたのは、この若きMFの活躍によるところが非常に大きいということ。2024年の彼のスタッツを見ると、攻撃面がストロングポイントではなかったものの、相手の攻撃を阻止するという面では卓越したプレーを披露し、相手が彼を振り切るのは非常に困難だった。
僕が「ベストイレブン」の中盤に彼を選んだのは、これほどのMFがチームに一人いれば、多くのチームの助けになるからだ。
セントラルMF:稲垣祥(いながき・しょう)
生年月日:1991年12月25日
所属クラブ:名古屋グランパス
2024リーグ戦成績:36試合6得点2アシスト
2024年の名古屋グランパスはリーグ戦で暗いシーズンを過ごしてしまったけれど、YBCルヴァンカップ優勝がその暗さを照らし出す一筋の光となったね。そんな中で、稲垣祥の素晴らしい戦いぶりが際立った。
決定力の面では最高のシーズンとは言えなかったが、リーグ戦で6ゴールを記録し、32歳と年齢を重ねても彼のミドルシュートの精度と絶妙なタイミングでの攻撃参加は全く衰えを見せないことを証明した。
さらに、守備面では彼の闘志が存分に発揮され、相手がDFを振り切ったと思った瞬間、稲垣がどこからともなく現れ、チームメイトを手助けした。
彼が2024年にプレーしたこの名古屋グランパスの地にちなむならば、稲垣は金のシャチホコのように貴重で、名古屋城の眺めのように堂々としていた。
右ウイング:武藤嘉紀(むとう・よしのり)
生年月日:1992年7月15日
所属クラブ:ヴィッセル神戸
2024リーグ戦成績:37試合13得点7アシスト
ヴィッセル神戸が武藤嘉紀を獲得した際、多くの人がその年齢から疑問を抱いたはずだ。昨年は、リーグ戦10ゴールを記録し、すでにキャリアのピークを迎えたかのように思えたが、今年はさらにその上を行く成績を残したね。
32歳の武藤は、リーグ戦で13ゴールと7アシストを記録し、神戸を2年連続のJリーグ制覇へと導いた。これだけでも十分に評価されるべきだが、さらに見逃せないのは、柏レイソルのホームで迎えた第37節、1点のビハインドを追う後半アディショナルタイムに超貴重なゴールをマークしたことだ。このゴールで得た勝ち点1が、ライバルたちの希望を打ち消した。
これらを踏まえ、僕の個人的な「ベストイレブン」に彼を選ばない理由があるだろうか? もし選ばなかったら僕は正気ではないと思われるよね(笑)。そうして武藤は、そのふさわしい地位、Jリーグアウォーズの最優秀選手に堂々と名を連ねることとなった。
左ウイング:宇佐美貴史(うさみ・たかし)
生年月日:1992年5月6日
所属クラブ:ガンバ大阪
2024リーグ戦成績:35試合12得点8アシスト
僕が選ぶ2024年の「ベストイレブン」は、極めて経験豊富な選手たちで構成されていると言わざるを得ないね。
ワインのヴィンテージを評価するように考えると、1992年は確かに良い年だったと言える。その年の生まれの武藤に続き、同い年の宇佐美貴史を選出したからね。
パナソニックスタジアム吹田では、サポーターが今年、宇佐美の名前を何度も歌う姿が見られた。ヨーロッパでの経験を経た後、2019年から愛するガンバ大阪のユニフォームを再び着ることを選んだ宇佐美の名を。
そして、昨年までの彼のパフォーマンスには疑問の声もあったけれど、今年はそういった声をすべて払拭した。リーグ戦で12ゴールと8アシストを記録し、チームを4位に導き、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)への出場権を獲得。この”貴重なヴィンテージワイン”は見事に熟成し、今シーズンはその素晴らしい価値を存分に発揮した。