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Jリーグ 2週間前

興味をそそらない親善試合も多いけれど…。中村憲剛とイニエスタ、それぞれの幕引きの仕方【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

2人が世界最高峰のリーグのピッチを共有する世界線


【写真:Getty Images】

 さらに、アルトゥール・マイア氏と横山知伸氏への拍手が事前に計画されており、試合中に彼らの追悼が行われた。こうしたジェスチャーは、中村がJリーグ史上最も愛される人物の一人である理由を再確認させるものだった。
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 引退試合でこれほど多くの日本サッカー界の著名人を集められる選手は他に多くないだろう。特に同じ週末には槙野智章、梁勇基、松井大輔のための試合も行われていたことを考えると、中村の存在感が際立っている。そして試合後のミックスゾーンを通過した名選手たちは、促さずとも自然に中村への愛情を語った。

 イニエスタと同様、中村のハイライトシーンは時が経つにつれてその名声をより輝かせるだろう。一方で、生涯を一つのクラブに捧げた中村にとって、彼の全盛期が日本人選手が海外でプレーする機会が非常に少なかった時代であったことはやや残念だ。彼にはヨーロッパで成功するための全ての要素が備わっていたのだから。

 別の世界線では、スペインと日本の名手たちが世界最大級のリーグで同じピッチを共有していたかもしれない。しかし、最終的にはそれが実現することはなかった。それでも、2024年のこの週末、彼らは大観衆の拍手を分かち合い、世界最高のプレーメーカー二人のキャリアの幕引きを飾った。

(取材・文:ショーン・キャロル)

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