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横浜F・マリノスは18日、小池龍太が鹿島アントラーズへ完全移籍することを発表した。5年間で112試合に出場し、ときにキャプテンマークを巻いたサイドバックがマリノスに別れを告げる。栄光と挫折を経験した小池がチームに残したものの価値を、マリノスを追い続ける番記者が綴る。(取材・文:藤井雅彦)
プロフィール:藤井雅彦
1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆
小池龍太が横浜F・マリノスのために捧げた5年間
今月18日、小池龍太の鹿島アントラーズ完全移籍が発表された。押しも押されもせぬ中心選手だけにファン・サポーターへ与える衝撃は大きかった。
公式発表に掲載されていた本人コメントの一部を抜粋し、引用する。
「この決断に関して、僕とF・マリノスの成功や成長のためにはベストな選択だと思います。何かを得るためには何かを捨てなければいけないですし、日々変わり続けるサッカー、変わっていくアタッキングフットボールでも同じです。
復帰を目指し励んでいた日々、特に今シーズンは契約最終年と重なり、プロサッカー選手としての終わりを覚悟することもありました。それでも自分はもう一度戻れると信じ、戻ってからは、まだチームの役に立てると自信もありました。
念願の復帰を果たしてからは、もし自分がいなくなることになっても、チームとして変えてはいけないこと、下げてはいけない基準、これまで積み上げてきたこと、これから体現してほしいサッカーや想いは残る選手や若手、チームに伝えておきたいと思い必死にピッチを走りました」
まずクラブの行く末を思案するあたりが彼らしい。事実、在籍した約5年間、小池龍太は常にマリノスのために動き、走り、注ぎ、そして捧げてきた。
わかりやすく輝いたのは横浜F・マリノスがリーグ優勝を成し遂げた2022年だろう。万能型の右サイドバックとして主軸を担い、ポジショニングの妙で人と人をつないできた。時には左サイドの高い位置にも顔を出して攻撃の流動性を高める芸当は他の追随を許さない。