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Jリーグ 1か月前

「本気で僕を…」ヴィッセル神戸、武藤嘉紀はなぜ残留を決めたのか。“ボロボロ”の日々があったからこそ、嬉しかった【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

ヴィッセル神戸で戦う覚悟

 そこには武藤とがっちりと握手を交わす三木谷会長の姿が写っていた。トップ自らが交渉に出馬したとうかがわせ、武藤自身もリポストした投稿もまた、名古屋以上に同選手を必要とした証となる。そして、気持ちを震わせた武藤は、クラブ公式ホームページで綴ったコメントでこんな思いも明かしている。

「この決断を尊重してくれた家族のために、日々応援、サポートしてくれる方々のために、全てを尽くして全力でプレーを続けますので、引き続き応援よろしくお願いします。トモニ闘いましょう!」

 文面からは来シーズンも、引き続き単身赴任で戦う決意が伝わってくる。シーズン中の今年9月には、最愛の家族との電話中に「パパ、東京のチームに来られないの」と無邪気な質問を投げかけられ、まだ幼い3人の子どもたちに「こんなに寂しい思いをさせているのか…」と後ろ髪を引かれる思いにも駆られた。

 だからこそ神戸のために攻守両面で群を抜く存在感を放ち、勝利に貢献する姿を見せ続ける。2007〜2009シーズンの鹿島アントラーズしか達成していないリーグ3連覇の偉業へ。そして、三木谷会長が悲願に掲げるアジア制覇へ。神戸への愛、そして家族への愛も力に変えて、武藤は2025シーズンも戦い続ける。

(取材・文:藤江直人)
 
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【了】
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