「何が自分にとってベストなのか…」
契約更新を報告するメッセージのなかで、あえて「本気で僕を必要としてくれた」と記したのは理由があった。自身のゴールなどで湘南ベルマーレに3-0で快勝し、連覇を決めた8日のJ1リーグ最終節後。ホームのノエビアスタジアム神戸内の取材エリアで、武藤は同じニュアンスの言葉を残していた。
「いままではサッカーだけに集中したかったので、その(契約更新)話は進めていなかった。ここから先はどうなるのか、正直、自分でもまだわかっていないところがある。ヴィッセルが自分に対してどう思ってくれているのか、といったところも含めて、何が自分にとってベストなのかを考えて意思決定したい」
FC東京のアカデミーから慶応義塾大をへて、2014シーズンに古巣へ加入した武藤はルーキーイヤーで13ゴールをマーク。ハビエル・アギーレ監督に率いられる日本代表にも抜擢され、続く2015シーズンはファーストステージだけで10ゴールをあげ、同年夏にはブンデスリーガのマインツへ移籍した。
ワールドカップ・ロシア大会に出場した後の2018年7月には、先述したニューカッスルへ移籍。ラ・リーガ1部のエイバルへの期限付き移籍をへてニューカッスルに復帰し、2021/22シーズンの開幕へ向けてプレシーズンを送っていたなかで神戸への移籍が決まり、約6年ぶりとなるJリーグへの復帰を果たした。
もっとも、神戸とは別のJクラブとも武藤はコンタクトを取っていた。湘南戦後の取材エリア。武藤は「僕が古巣のオファーを断ったと、いままでずっと言われていましたけど…」と自ら切り出している。