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「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるが、サッカー界では若手選手を成長のために期限付き移籍させることが多い。しかし、すべての選手が順風満帆なキャリアを送ることができるわけではなく、才能豊かな逸材が武者修行先で伸び悩むことも少なくない。今回はレンタル先で苦しんだJリーグの逸材選手を紹介する。
※スタッツは12月17日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照
DF:行德瑛(ぎょうとく・えい)
【写真:Getty Images】
生年月日:2004年12月17日
保有元:名古屋グランパス
期限付き移籍先:AC長野パルセイロ
今季リーグ戦成績:1試合0ゴール0アシスト
名古屋グランパスの「未来」として、その成長に期待をかけられている男が苦しんでいる。
静岡学園高校出身の行德は、高校サッカーで世代ナンバーワンのセンターバック(CB)として名を馳せた。ディフェンダーながら高い足元の技術をもっており、相手からプレッシャーをかけられてもドリブルで剥がして前進することができる。
CBに求められる守備能力に加えて、静学仕込みのスキルを兼ね備えた行德は、昨季に名古屋グランパスに加入した。しかし、なかなか出場機会を得ることができず。プロ2年目の今季は7月にAC長野パルセイロに育成型期限付き移籍することを決断した。
だが、期限付き移籍1年目は失敗に終わっている。
長野では背番号4を与えられたが、リーグ戦はわずか1試合の出場にとどまっている。経験豊富な選手たちからレギュラーの座を奪うことはできなかった。
9月に行われた第28節・奈良クラブ戦(1-1)にフル出場した行德だったが、10月17日のトレーニング中にまさかの負傷。右膝内側側副靱帯損傷と診断され、全治には8週間かかる見込みであることがクラブから発表されている。
チャンスに恵まれていない状況で、さらに負傷離脱を余儀なくされてしまうことは、本人にとって歯がゆい状況だろう。飛躍を期待されていた行德の2024シーズンは、怪我によって中途半端な形で幕を終えた。
だが、まだプロ2年目の若い選手であり、焦る時期ではない。先日20歳の節目を迎えた逸材はこの逆境を跳ね返し、秘めた才能を完全開花させることができるだろうか。
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