適性の一方で、ライスのアンカー起用は正しかったのか
負傷離脱等でこのポジションをプレーできる選手がいなかったわけではなく、ベンチにはトーマス・パーティとジョルジーニョが控えていた。ほぼ一方的にアーセナルが押し込み続ける展開で、アンカーが「ライスでないといけない」理由は無かったのではないだろうか。
ライスの機動力はよりオープンな展開の試合で際立つ。アンカーであればボールロストのリスクを冒してボールキャリーすることはできないため、昨夜のようにアーセナル優位の時間帯が続く試合であれば攻撃的なライス、すなわち左IHのライスが見たい。
強調したいのは、ライスはアンカーで起用すべき選手であるという意見と、この試合でライスをアンカー起用すべきでなかったという意見は対立していないことである。パーティやジョルジーニョの方が“この試合では良かった”というだけだ。
この試合を見て、ライスのアンカー起用そのものに対して否定的な見方をもつことは全くの見当違いである。チームはゴールネットを揺らせず、勝利を逃したが、昨季のようにライスのポジショニングやパスが機能不全を招いていたわけではない。左IH起用時のような派手さはなかったが、アンカーとして及第点以上のパフォーマンスだった。
その一方で、アルテタ監督が後半途中からユリエン・ティンバーを左サイドバック(SB)で起用したことは完全に間違いだったと言わざるを得ない。