プライベートの充実も好調の要因の一つ
今季からフィオレンティーナの指揮を執るラッファエーレ・パッラディーノ監督は、キーンの良き理解者だ。
「クラブは、キーンを欲しいという私の要求にすぐに応じてくれた。私は、モイーズの兄のように感じている。チームに私が最初に補強を願った最初のプレーヤーだ。この数年は大きな結果を残せなかったが、彼を信じた」と強くキーンを必要としていたことを明かした。
さらに、5200万ユーロ(約83億2000万円)の契約破棄金が設定されていることついては、「仮にその金額を全額支払うクラブが現れることになれば、それは彼に関わる全員が素晴らしい仕事を果たしたと言えるだろう。フィレンツェとフィオレンティーナは、このキーンを楽しまなければならない。今現在を考えることだ」とし、高額オファーが届き、キーンがクラブを離れることになっても、それはクラブの功績であるとの見解を示した。
選手にとって、全幅の信頼を寄せる指揮官がいることほど心強いものはない。キーンは、パッラディーノの期待に応えるだけだ。
好調の要因は、もう一つある。プライベートの充実だ。親友であるミランのラファエル・レオンとコラボレーションで、トラップ・ミュージックのアルバムを12月16日にリリースすることになったのだ。タイトル名は『Chosen』、英語で「選ばれた者」という意味だ。
「僕のことを“トラップ・ボーイ”と呼ぶ? トラップは“罠”の意味だ。とても流行っているラップのスタイルの一つで、独特な音楽なんだ。トラップの曲を聴くと、ビートの中に引き込まれる感じがして、そのビートがまるで“罠”をかけたように包みこんでしまうんだ。“トラップ・ボーイ”なんて言われるのも悪くないね」
強いビートに乗ったリズムで躍動し、相手DFを“トラップ”にかけて、ゴールを連発するシーンが、これからも多く見られるに違いない。
(文:佐藤徳和)
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