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Jリーグ 1か月前

鎌田大夢の焦り、成長、そして後悔。ベガルタ仙台の背番号10「付けて良かった。でも早かった。もっと似合うように」【コラム】

シリーズ:コラム text by 小林健志 photo by Getty Images

大きな転機。森山佳郎監督から受けた評価は…

 それでも鎌田大夢という選手は、福島に在籍していた時から、その時々の指揮官の求めることにしっかりと応えて自分をアップデートさせ、苦しむ時期はあっても徐々に出場機会をつかんでいく選手だった。

 今季も苦しんでいた中、8月末に大きな転機が巡ってきた。開幕からコンスタントに出場してきた長澤がニュージーランドのウェリントン・フェニックスFC(オーストラリアAリーグ所属)へ急遽完全移籍することとなった。

 長澤が移籍後最初の試合となった8月31日のJ2第29節いわきFC戦で、鎌田は先発出場のチャンスを得た。先発出場はなんと4月3日第8節愛媛FC戦以来で、今季はそれまでリーグ戦で先発したのは2試合だけだった。

 そんな中先発出場した鎌田は好守で高いパフォーマンスを見せ、強度の高いいわきの選手にも当たり負けせずプレーし、2-0での勝利に大きく貢献する。この試合で「プレッシャーを受けても怖がらずにボールを受けることができる」と森山監督の高評価を勝ち取った鎌田は以後、レギュラーに定着。チームのJ1昇格プレーオフ出場に大きく貢献したのだった。

 終盤戦でレギュラーを勝ち取った鎌田は、J1昇格プレーオフ2試合でも先発出場した。12月7日の決勝・ファジアーノ岡山戦でも奮闘を見せたが、勝利しなければJ1昇格できない中、前半に先制を許し、後半にも失点し、2失点後の65分に松井と交代でピッチを去った。試合も0-2で敗戦し、J1昇格は達成できなかった。

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