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J1昇格プレーオフ決勝でファジアーノ岡山に敗れ、あと一歩でJ1昇格を逃したベガルタ仙台。その仙台で、レジェンド梁勇基に代わって今季から背番号10を背負うMF鎌田大夢にとっては、悔しさを感じながらも成長と課題の両方を突き付けられたシーズンだった。(文・取材:小林健志)
背番号10を与えられた鎌田大夢が苦しむ日々
20年間プロ選手として活躍し、そのうち18年間仙台でプレーしたレジェンドで、現在は仙台のクラブコーディネーターを務める梁勇基。仙台の背番号10として強烈な印象を残し、12月10日に行われたJリーグアウォーズではJリーグ功労選手賞を受賞。12月14日にはユアテックスタジアム仙台で引退試合も予定されている。
その梁の背番号10を今季受け継いだのはMF鎌田大夢だった。イングランドプレミアリーグ、クリスタル・パレスFCでプレーする日本代表MF鎌田大地の弟。2020年に昌平高からJ3福島ユナイテッドFCに加入して2年間プレーし、主力選手として成長した。
2022年2月、この年福島で背番号10を背負うことが既に決まっていた中で、仙台への完全移籍が決定。移籍1年目はJ2リーグ18試合の出場にとどまったが、2年目の昨季はJ2リーグ33試合に出場し2ゴールと大きく成長を遂げた。今季さらなる飛躍を目指し、梁から背番号10を継承したのだった。
大きな期待が集まった今季だったが、プレー強度や活動量を重視する森山佳郎監督の下、なかなか出場機会を得られない苦しいシーズンとなった。
ボランチのポジションは、ベテランMF長澤和輝、大卒2年目でボール奪取力に長けたMF工藤蒼生が開幕からレギュラーとしてプレーし、さらには川崎フロンターレから強度の高い守備と攻撃への展開力を兼ね備えるMF松井蓮之が加入したことで、序盤戦は途中出場の試合が多くなり、ベンチ入りすらままならない日々が続いた。