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下部リーグへの降格ほど悲しく、恐ろしいものはない。J2降格後、なかなかJ1復帰が叶わず『J2沼』に引きずり込まれてしまうクラブも少なくないからだ。しかし、圧倒的な強さで1年でのJ1復帰を果たした例もわずかにある。そこで今回は、J2降格1年目で無双して「環境破壊」を引き起こした最強チームを紹介する。※成績はデータサイト「Transfermarkt」とJリーグ公式記録を参照。情報は全て11月8日時点。
サンフレッチェ広島(2008シーズン)
【写真:Getty Images】
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ
異例の決断が、最強のチームを完成させることになる。
サンフレッチェ広島は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制2年目となる2007シーズンにクラブ史上2度目のJ2降格が決定。リーグワーストの71失点を喫し、守備が崩壊したチームは強豪ひしめくJ1では生き残ることができなかった。
多くの場合、J2降格が決定したクラブは監督交代に踏み切って体制を一新する。しかし、広島はペトロヴィッチの下での成功を信じ、異例の監督続投を決めている。
また、エースである佐藤寿人が残留を決意し、チームはJ2に降格したのにも関わらず、戦力をほとんど維持した状態でJ1復帰を目指す戦いに臨むことができた。
J2で迎えた2008シーズン、広島は開幕から得点力が爆発。「ミシャ式」と呼ばれる超攻撃的サッカーでJ2を蹂躙した。このダイナミックなサッカーでは、若手選手が躍動。青山敏弘、柏木陽介、森脇良太、槙野智章らフレッシュな面々が出場機会を得て、チームの主力にまで成長している。
開幕早々にリーグ首位に立った広島は、その勢いを維持したまま終盤まで走り抜け、J2優勝を成し遂げた。その成績は99得点35失点と「攻撃は最大の防御」という言葉を表すかのような魅力的な内容になった。
なぜ、彼らはJ2にいるのか? そのような疑問が出てきてもおかしくないほど、2008シーズンのサンフレッチェ広島はJ2で無双状態だった。
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