試す価値は十分にあるはず。問題はCBとして…
しかも、ファン・ダイクとの契約期間は残り半年しかない状況だ。米メディア『ジ・アスレチック』によると、リバプール側は1年間の契約延長オファーを出したものの、それがオランダ代表CBにとって満足出来る内容ではなかったようで、交渉はまとまっていない。
最終的に主将との契約をどうするにせよ、彼はもう33歳でトップレベルでプレーできる時間が長いわけではない。主力級のCBの補強はリバプールにとって急務である。しかし、残念ながらそれでなくてもトップレベルのCBの補強は難しい。冬ならなおさらである。現実的には難しいだろう。
このような状況を考えると、急場を凌ぐために、遠藤をCBとして起用する選択肢もあるのではないだろうか。遠藤はプレミアリーグでは未経験だが、過去にCBでプレーしたことがある。最終ラインでプレーするなら、苦手なターンを要求されることもないので、スロットの求めるビルドアップもこなすことが出来るだろう。
問題はCBとして、地上戦、空中戦ともに必要な強度を担保出来るかどうかだ。これは正直、蓋を開けてみなければわからない要素ではある。ただし、これまでのプレーぶりを見る限り、試す価値は十分にあるはずだ。上背の面はネックになるだろうが、今のリバプールなら押し込まれてクロスを放り込まれ続ける展開は少ないので悪目立ちしにくい。
もしプレミアリーグでCBでプレーした実績を遠藤が得れば、それこそ長谷部誠のように、キャリアの選択肢は広がるだろうし、それは日本代表にとってもプラスである。こう考えると残留も悪い選択肢ではないはずだ。
最終的に残るのか、退団するのか、決めるのは遠藤だ。どちらも良し悪しがあるので、難しい選択なのは間違いない。
ただ、筆者としてはそこまで心配していない。理知的な男なのだ。大きく間違える選択をするとは思えない。その時々で最適なキャリア選択をしてくれるはずだ。いずれにしても、遠藤の成功を祈っている。複雑な感情とともに。
(文:内藤秀明)
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