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コラム 1か月前

リバプール、遠藤航に迫る決断のとき。移籍か残留か…。はたまた第3の選択肢も!? 「試す価値は十分にある」【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

まるでイニエスタのよう。スロットの元で開花した若手

 このように前線と中盤のライン間でボールを受けた後にターンをして、ワイドに展開するプレーや、ドリブルで前方に運ぶプレーが出来ないことが、遠藤の序列低下を招いている。

 その点、現在スタメンで出場しているライアン・フラーフェンベルフは、仮にマークがついていても、ターンで逆をとって前を向くことが出来る。激しく寄せられても、高い技術とリーチの長さを生かしてボールを失わない。

 また、イングランド代表MFカーティス・ジョーンズも、同様のプレーが上達している。今やアンドレス・イニエスタのように優雅なボールタッチで、密集を潜り抜けていくほどだ。彼らはやや伸び悩み気味の若手だったが、スロットの元でその才能がとうとう花開いた。

 もう一人の3列目の主力メンバーであるアレクシス・マック・アリスターは、彼らほどドリブラー気質ではないものの、変わりにCBからの縦パスをダイレクトでサイドチェンジしたり、ワンタッチでフリックして動き直し、前を向いた状態でボールを受け直すなどのパスワークのアイディアがある。

 とはいえこれはこれで、トップレベルの視野や足元の技術が要求されるプレーである。彼は前所属クラブのブライトンで、ロベルト・デ・ゼルビの元で徹底的に鍛えられたからこそ出来るのだ。遠藤に対して「1〜2ヶ月でいきなりものにしろ」というのは無理な話だ。

 いずれにしても、安定して前を向けないことが遠藤の大きな課題になっている。それでもわずかな時間とはいえ、起用されているということは、スロットなりの信頼の証なのだろう。あるいは遠藤が腐らず、真面目に練習をこなしている証でもある。

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