ファン・ダイクも「何故?」遠藤航の序列低下の原因
昨季までの遠藤は、ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンなど、主力が一気に退団したクロップ・リバプールのラストイヤーを支えていた。今年3月に行われたホームでのマンチェスター・シティ戦では、中盤のフィルター役として活躍して、マン・オブ・ザ・マッチに輝いたこともあった。
しかし、ポゼッション志向のオランダ人監督アルネ・スロットが新任すると、序列が急低下。スタッツサイト『トランスファーマルクト』によると、昨季の遠藤はリーグ戦で29試合1720分出場していたが、今季はわずか6試合20分しかプレーしていない。
遠藤の序列低下の原因は明らかだ。中盤の選手としての配給力不足である。そして、その原因は密集で前を向くプレーが出来ないからだ。特にセンターバック(CB)からボールを引き取った後にターンを出来ない場面が目立つ。
例えば、第11節のアストン・ヴィラ戦、89分24秒のシーンだ。2トップと中盤のライン間で、フィルジル・ファン・ダイクからフリーでボールを引き取った日本代表MFだが、ターンをせずボールを数回タッチして、結局相手2トップよりも後方でキープしてしまった。ワンタッチで前を向けば難なく、相手の2トップより前方にボールを運べたが、結果的にオランダ代表DFの配給を無駄にしてしまった。これにはファン・ダイクも「何故?」と言わんばかりに両手を広げるジェスチャーをしていた。
もちろん時間帯とリードしている試合展開を考慮すれば、無理してターンする必要はない。とはいえ、アピールしなくてはいけない現状や、完全にフリーでボールを受けていることを考えると、前を向くべき場面だった。