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Jリーグ 2週間前

ジュビロ磐田、上原力也が求める“J1基準”の土台。一体感はある、あとは「もう一個、高い次元」を要求し合えるか【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

上原力也が要求する「もう一個、高い次元」へ

「戦術的な声というのはもっともっと増やしていかないといけない。前の選手を動かすだったり、ディフェンスのラインコントロールの声だったり、それは全員、そういう声はもっと増やして行かないといけないなというのは感じています」

 その問題に関しては山田も語っていたことであり、頭で分かっていれば簡単に解決できる話ではない。当然チームとしての戦い方の見直しも求められることだろう。ただ、こうしたことを山田の後を継いでいくべきリーダーの一人である上原が語ったことに意味はある。

「僕たちに足りなかった球際のところは確実に良くなってると感じているので、J1で戦う土台をもう一個、高い次元で要求し合えるんじゃないか」と語る上原が、真の意味でのリーダーになって、そうした要求し合えるチームを作っていけるか。

 磐田はJ2というステージに戻るが、昇格を目指すことはもちろん、YBCルヴァンカップや天皇杯でタイトルを狙うという意味ではJ1のクラブとスタートラインに違いはない。

 これまでやってきた土台のところは崩すことなく、積み上げていくべきものは試合だけでなく、365日の中にある。そのためのリーダーシップを上原はじめ、松本昌也、松原后などチームの中軸を担う選手たちが、しっかりと発信していけるか。

 山田は「僕がいなくなることで、よりそこの自覚が芽生えていくことは絶対にあると思う」と期待を寄せる。もちろん現役引退する山田だけでなく、J2に降格することで、チームを離れる選手も出てくるだろう。それでもチームに残るものがあるはずで、そこから積み上げていく作業というのはJ2でも変わらない。そのひとつが選手たちの意識であり、さらに高めていくべきものだ。

(取材・文:河治良幸)

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