試合中の修正力が足りない。その原因とは
「鳥栖戦を含めて、68ですか。残留に値する数字ではないと思うし、点は取れてる中でのその数字はしっかりと受け止めて、改善していかないといけない」と上原。
戦術的なところで言えば、サイドハーフの中原やヴィキンタス・スリヴカが外に張るより、中にポジションを取ってくる鳥栖に対して、3-4-2-1の磐田は誰がどう付くのか曖昧なまま失点を重ねてしまった。
上原は2失点した後に、左センターバックのリカルド・グラッサが中原にプレスに行くことで、そこのポイントで自由にさせないように伝えたというが、試合の潮目を考えれば、そうした修正も遅すぎたことを上原も認識している。
ただ、こうしたことは鳥栖戦に限ったことではなく、試合中の修正力の不足はその場だけでなく、365日の中での要求が足りていないからこそ、起きてしまうものだ。もちろんチーム内ではやっているつもりでも、J1基準で見たときにどうだったのか。
今シーズンの磐田を筆者が観てきて最も感じたのが、どんな時でもチームが壊れることなく、シーズン戦い抜けたこと。これは間違いなく、横内昭展監督を筆頭に、山田や最年長の川島永嗣が支えとなって作り上げてきたものだ。
だからこそ、クオリティの不足や勝負どころの甘さが浮き彫りになったとも言える。そのことを指摘すると上原は「気持ちの面の声はすごい多くなってきてるし、球際だったり全員のやる気、戦う姿勢とか、モチベーションの声が出てるから、それが一体感になっている」と前置きしながら、磐田の課題の核心と思われることを口にした。