追われる立場となった今シーズン
2月の開幕から35試合、2906分にわたって中盤の底、アンカーで代役のきかない存在感を放ってきた。ほぼフル稼働を果たし、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、サンフレッチェ広島、そして川崎フロンターレに次ぐ史上6チーム目の連覇を、天皇杯との二冠獲得で達成した。
首位で迎えた運命の最終節。勝ち点1ポイント差で追う2位のサンフレッチェ広島、同3差のFC町田ゼルビアがともに敗れたのとは対照的に、3-0で湘南に危なげなく勝利して美酒に酔った。
「今日は試合を通して自分たちのサッカーができたし、しっかりと勝って気持ちよく優勝できたのは本当にうれしい。この日のために頑張ってきたし、チーム全員でつかみ取った優勝なので」
序盤戦から首位を快走し、リーグ初優勝を果たした昨シーズンとは対照的に、追われる立場となった今シーズンは我慢の戦いだった。開幕から5位以内を長くキープするなど、町田や広島の上位陣につかず離れずの状態から、夏場に破竹の6連勝をマーク。11月に入って首位に立った展開を扇原はこう振り返る。