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明治安田J1リーグの第38節、ヴィッセル神戸対湘南ベルマーレが行われ、3-0の快勝で神戸がJ1優勝を決めた。2連覇を達成した神戸において、扇原貴宏はこれまで苦しい時期も経験してきた。移籍後チームにフィットできない苦しみ…。それでも常に自分に矢印を向けてきた扇原にとってのターニングポイントとは?(取材・文:藤江直人)
チームメイトが予感していた、扇原貴宏の約5年振りのゴール
勝った瞬間にJ1リーグ連覇が決まる、8日の湘南ベルマーレとの最終節を数時間後に控えた神戸市内のホテル。前泊していたヴィッセル神戸の選手たちが、朝食後にコーヒーを飲みながら爆笑していた。
「そろそろですか。そろそろやっちゃっていいんじゃないですか」
FW武藤嘉紀が冗談っぽい口調で、オフにはともに家族旅行にいくなど、ピッチ外でも仲のいいMF扇原貴宏に話を向ける。そろそろとは、横浜F・マリノスに所属していた2019年8月10日の川崎フロンターレ戦を最後に遠ざかっていたゴール。笑顔の輪の中心にいた扇原の反応を、武藤はこう振り返る。
「何かニヤニヤしていました。多分、信じていなかったですね。でも、そうしたら決めちゃって」
神戸が2点をリードして迎えた70分。チームメイトをまず驚かせ、続いて優勝を確信させ、武藤にいたっては「その瞬間から、何だかウルウルきちゃいました」と感動させた扇原のスーパーゴールが生まれた。