キャプテン、佐々木翔にのしかかっていた重責
そんな広島を突き落としたのが、81分の中谷の2点目。またもやリスタートで、佐々木はマークについていたダワンに頭での折り返しを許し、失点に関与してしまった。これは悔やまれるプレーだったに違いない。
さらに、89分の坂本の3点目も、佐々木がダワンに寄せたものの、スルーパスを出されてしまった。この日の彼は「チームを優勝させなければいけない」「アオさんにシャーレを掲げさせなければいけない」という重責がのしかかり、本来の彼らしさを欠いた印象も拭えなかった。
広島としては後半ロスタイムの加藤の一撃で一矢報いたが、最終的には1-3のままタイムアップの笛。J1タイトルまであと一歩のところまで迫りながら、今季も手に入れることはできなかった。
加藤、松本泰志、中野就斗と選手たちが次々と涙を流す中、崩れるように大泣きしたのが佐々木だった。日頃、何があっても動じることなく淡々としている印象の強い彼がここまで感情を露わにするのは初めてかもしれない。