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Jリーグ 2週間前

「お前には岡山でJ1へ昇格してほしい」ファジアーノ岡山、木村太哉が胸に刻み続けてきた先輩たちの思い「ようやく」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグ昇格プレーオフ決勝のファジアーノ岡山対ベガルタ仙台が7日にシティライトスタジアムで行われ、ホームチームが2-0で勝利した。2024シーズンのチームを牽引する活躍を見せた木村太哉が、大一番でも殊勲のアシスト。そんな木村は、ある言葉を胸にJ1への挑戦権獲得に臨んでいた。(取材・文:藤江直人)

ファジアーノ岡山の来季J1昇格が確定!

J1昇格を決めたファジアーノ岡山
【写真:Getty Images】

 気がつけばスライディングを仕掛ける体勢から、必死に右足を伸ばしていた。それでも、ファジアーノ岡山のシャドーの一角を担う木村太哉は冷静沈着に、自身とボール、そして相手の位置を見極めていた。

「あの場面では相手の足だけは蹴らないようにして、ボールに対してプレーすれば必ず何かが起きると」

 ホームのシティライトスタジアムにベガルタ仙台を迎えた、7日のJ1昇格プレーオフ決勝。両チームともに無得点で迎えた20分に、1万4673人とほぼ満員で埋まったスタンドを赤く染めた岡山のサポーターを熱狂させ、バックスタンドの一角を黄色くさせた仙台のサポーターを沈黙させるシーンが訪れた。

 仙台のペナルティーエリア内の左角あたりで生まれた混戦。こぼれ球を仙台のDF小出悠太がクリアしようとした刹那で、粘った木村が相手よりもわずかに早く右足の先をボールにタッチさせる。接触プレーで怪我をすると思わなかったのか。こう問われた木村は首を横に振った。

「怖さは別に感じませんでした」と。

 そして、わずかに外側へこぼれたボールの後方では、左ウイングバックの末吉塁がスタンバイしていた。目の前にボールが弾むのを、まるでわかっていたかのようなポジショニングには理由があった。

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