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コラム 2週間前

“RB”トリノは本当に誕生するのか。レッドブルがついにイタリア進出!? 現会長、ウルトラスの反応いかに【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

結果だけではない。サポーターがカイロを嫌っている理由

 2005年から2023年までにカイロは、7870万ユーロ(約125億9200万円)をクラブに投資しているが、サポーターを満足させるような結果を出せていない。出版界においては有能な能力を発揮しているが、サッカー界では、必ずしも成功しているとは言い難い。

 トリノは今でこそ、イタリアの中堅クラブであるが、1906年創設の歴史あるクラブだ。戦後にはリーグ戦4連覇を成し遂げ、これまでにカンピオナートを7度も制している。

 だが、リーグ5連覇が目前と迫った1949年5月4日のあの忌まわしい航空事故、スペルガの悲劇で、選手18名と監督を含めたスタッフ5名の犠牲者を出した。あの大惨事がなければ、今もイタリアで覇権を争うクラブであったかもしれない。偉大な歴史を誇るクラブのファンとしては、近年の成績はあまりにも物足りないものだ。

 それゆえ、サポーターはカイロを憎しみ嫌っている。ただそれは、結果が出せないことだけが理由ではない。

 アレッサンドロ・ボンジョルノのような、生え抜きの宝を放出。今シーズンは、開幕節が行われた後に、若手ホープのラウル・ベッラノーヴァを売却するなど、ビジョンのないプロジェクトにサポーターは堪忍袋の緒を切らし、1万人規模のデモでカイロの退任を訴えた。

 サポーターは、兎にも角にも、カイロの退任を要求。今は、後任が誰であれ、カイロでなければ誰でも構わないというようなスタンスだ。

 しかし、仮にレッドブルが、新オーナーに就いたとして、クラブの名称やカラー、エンブレムの変更といった問題が浮上する。ドラスティックな変化は絶対に受け入れられないだろう。もし、新オーナーが、強行的にクラブの伝統を変更するような手段に出れば、サポーター、とりわけ、ウルトラスは黙っていない。

 イタリアでウルトラスの力は絶大だ。11月にはこんなエピソードがあった。

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