「少しは成長できた証かな」出場し続ける中で感じたこと
そんな彼がセンターバックの一角を担うようになったのは、三浦が右膝の大ケガで戦列を離れてからだ。以来、第11節・福岡戦を皮切りに冒頭に書いた新潟戦まで、体調不良で離脱した第21節・FC町田ゼルビア戦を除く、全試合で先発のピッチを預かってきた。
序盤から三浦・中谷のコンビが示していたパフォーマンスを考えれば、プレッシャーはあったはずだが、三浦の『代わり』ではなく、自分らしく勝負すると心に決めていたという。昨シーズンとは対照的にチームとしても結果が出る試合が多かったことにも背中を押された。
「試合に出ていること以上に、その中で負けた試合より、勝った試合が多かったのは、自信にしてきたことの1つです。またセンターバックとしては目に見えた『失点数』と言うのも、自分の課題だった守備の部分が少しは成長できた証かな、とは思っています」
事実、第37節を終えた時点で、チームは4位。優勝の可能性はなくなったものの、クラブとして『7位以上』を目標に始まったシーズンですでに5位以上が確定している状況にある。また彼の言葉にもある通り、特筆すべきは失点数の大幅な減少だ。昨年61を数えたそれは、現時点でリーグ2位の34を誇っている。
ただ、それでも「課題はまだまだある」と福岡。それは天皇杯のファイナルという大舞台で味わった『失点の重み』を含め、改めて感じたことだという。