息子を見て腹を括った「僕は僕の持ち味で」
「キャンプを終えて家に帰ったら、息子がまた成長していて。毎年、会えない時間が長くなるこの時期は、余計に成長を感じるんですけど、今回も、ちょっと会えない間に、サッカーのことがだいぶわかるようになって、パパがサッカー選手だということも理解できるようになっていました。僕が出ている試合のDVDを観ながら『パパ、パパ』って指したりもしますしね。そういう姿を見て頬を引っ叩かれたような気持ちになったというか。試合に出てない格好悪いパパの姿なんて見せるわけにはいかない、と。だから、とにかくやり続けようと腹を括りました」
「いつ、チャンスが来るかはわからないけど、いつ来てもいいように準備しておかないとそのチャンスも掴めない。このチームでの立ち位置も…キャラクターも含めて自覚しているので。今はあれこれ考えず…っていうか、キャンプで考えすぎて自分のパフォーマンスを落としてしまっていたのも事実だったので、それじゃあダメだと反省し、切り替えました。なので、今は目の前の試合に向けて準備する、それで使われなかったらまた次の試合に向かう、ってことに真っ直ぐに気持ちを注げています」
その言葉に嘘はなく、J1リーグが開幕してからも序盤はクローザーや本職ではない右サイドバックでの出場が続いたが、与えられた役割のもと常に「出し切る」ことに集中してピッチに立った。
「この世界は結果が全て。先発に選ばれないのは、出ている選手より足りていないからだという現実を素直に受け入れて、自分と向き合い続けています。実際、ここまで弦太くんもシン(中谷)もすごくいいパフォーマンスで守備を安定させてくれていますしね。そこは素直に認めて、でも僕は僕の持ち味で勝負していこうと思っています」